ダイビングの耳抜きのコツ|痛くならないやり方と失敗しないポイント
ダイビング講習で多くの初心者が最初につまずくのが「耳抜き」です。うまくいかずに耳が痛くなり、それだけでダイビング自体が苦手になってしまう人も少なくありません。この記事では、耳抜きが必要な理由から、代表的なやり方、失敗しないためのポイントまでを解説します。
結論から言うと、耳抜きは痛みを感じる前に早め・こまめに、無理せず行うことを意識すれば、コツを掴んで問題なくできるようになります。
なぜダイビングで耳抜きが必要なのか?
水中では、深く潜るほど水圧が高くなります。水深10mではすでに地上の2倍の圧力がかかっており、この圧力差によって鼓膜の内側と外側にある空気の圧力にズレが生じ、耳の痛みや違和感につながります。耳抜きとは、鼻をつまんで息を送り込むなどの方法で耳の中(中耳)の圧力を外の水圧に合わせる動作のことです。これを怠ると、鼓膜が内側に押し込まれる「耳の圧外傷」を起こす可能性があり、ひどい場合は鼓膜損傷につながることもあります。
代表的な耳抜きのやり方とは?
1. バルサルバ法
鼻をつまみ、口を閉じたまま鼻から息を送り出すように圧をかける、最も基本的で講習でも最初に習う方法です。力を入れすぎると耳を痛めることがあるため、軽い力で行うのがポイントです。
2. トインビー法
鼻をつまんだまま、唾を飲み込むようにして耳抜きをする方法です。バルサルバ法より優しく行えるため、慣れてきたら併用する人も多いです。
3. フレンツェル法
喉の奥(舌の付け根)を使って圧力を送り込む方法で、力任せにならず何度も繰り返しやすいのが特徴です。習得にはやや練習が必要ですが、耳への負担が少なく、経験者に好まれる方法です。
耳抜きを失敗しないためのポイントは?
- 水面にいるうちから耳抜きの感覚を確認しておく:潜降を始めてから初めて耳抜きを試すのではなく、水面でつまみ方や送気の感覚を確認しておくとスムーズです
- 痛みを感じる前に、早め・こまめに行う:耳が痛くなってから抜こうとすると通りにくくなります。潜降しながら数秒おきに耳抜きをするくらいのペースが目安です
- 足から真っすぐ潜降する:頭が下がった姿勢で潜ると耳管が塞がりやすくなります。特に初心者のうちは、ロープを使うなどして足から垂直に潜降するのがおすすめです
- 抜けないときは無理せず少し浮上する:耳抜きが通らないまま潜り続けるのは危険です。数十cm浮上して圧力を緩め、もう一度試すようにしましょう
- 風邪や鼻づまりのときは潜水を避ける:耳管が炎症で塞がっていると、通常より耳抜きが格段に難しくなり、圧外傷のリスクも高まります
- 力まずリラックスする:緊張して体に力が入ると耳管も塞がりやすくなります。深呼吸をして、力を抜いた状態で耳抜きを試みることが大切です
それでも耳抜きができないときはどうする?
何度試しても耳抜きが通らない場合は、無理をせず一度浮上してやり直すのが基本です。慢性的に耳抜きがしにくい、痛みが長く続く、水が抜けにくいといった症状がある場合は、耳鼻咽喉科での相談もおすすめします。ダイビング前の体調管理として、鼻炎や副鼻腔炎の症状がないかを確認しておくことも、耳抜きのしやすさに直結します。
まとめ
耳抜きはダイビングの基本スキルであり、コツさえ掴めば決して難しいものではありません。早め・こまめに、無理をせず行うことを意識すれば、痛みを感じることなく潜り続けられます。うまくいかない日があっても焦らず、自分に合った方法を見つけていきましょう。
よくある質問
Q. 耳抜きができないまま潜り続けるとどうなりますか?
A. 鼓膜が内側に押し込まれる「耳の圧外傷」を起こす可能性があり、ひどい場合は鼓膜損傷につながることもあります。無理をせず浮上してやり直してください。
Q. 風邪をひいているときに耳抜きは難しくなりますか?
A. はい。耳管が炎症で塞がっていると通常より耳抜きが難しくなり、圧外傷のリスクも高まるため、体調が悪いときの潜水は避けましょう。
Q. 耳抜きの方法は1つに絞るべきですか?
A. 必ずしも1つに絞る必要はありません。バルサルバ法・トインビー法・フレンツェル法を状況に応じて使い分ける人も多くいます。
Q. 耳抜きが苦手なのは体質の問題ですか?
A. 個人差はありますが、多くの場合はコツを掴むことで改善します。焦らず練習を重ねることが大切です。
Q. 耳抜きの練習は陸上でもできますか?
A. 鼻をつまんで軽く圧をかける感覚は、陸上でも安全な範囲で確認できます。ただし実際の潜水前には必ずインストラクターの指導を受けてください。